ウソ・ホント?更年期にまつわるウワサを検証
ここでは更年期にまつわる思い込みやウワサについて、その真偽を教えてもらいました。皆さんも更年期について正しく理解できているかどうかチェックしてみて。
●女性ホルモンは自力でアップできる→ウソ
女性ホルモンの分泌量は35歳頃から減少し始め、減りすぎは防止できても自力で増えることはありません。
●ダイエットのしすぎで更年期が早まる→ホント
絶食など過度なダイエットでホルモンバランスを崩すと、不妊症になったり更年期が早まるリスクが高まります。無理なダイエットは禁物です。
●更年期症状の重さは遺伝する→ウソ
© FUSOSHA Publishing Inc. 提供 症状の重い、軽いは、生活様式や性格などで変わるもの。ただし卵巣機能には遺伝性があるので、閉経時期が母娘、姉妹で似る傾向はあります。
●閉経すると一気に老け込む→ウソ
閉経後4、5年すると更年期の症状が治まってくるので、元気になる人も多くいます。とくにPMS(月経前症候群)や生理痛に悩んでいた人は、解放されて生活が快適になるようです。
●夫と不仲だと症状がつらくなりやすい→ホント
更年期への理解があまりない夫とコミュニケーションも少なければ、ストレスの影響から症状は重い傾向に。
●美魔女は更年期と無縁→ウソ
© FUSOSHA Publishing Inc. 提供 いくら見た目が若くても、卵巣機能が実年齢と同じことに変わりありません。卵巣機能の老化や女性ホルモンの低下は、外見に関係なく、だれにでも平等に訪れます。
●高齢出産の人は症状が重くなる→ウソ
高齢出産によって症状が重くなることはありません。ただ、更年期と子育てが重なり、プレッシャーなどによってしんどくなる場合はあります。
●まじめな人ほど症状が重くなる→ホント
まじめな人はつらい症状も我慢してこじらせてしまいがち。更年期に入ったら完ぺき主義は手放しましょう。
●セックスをしていると症状が軽い→ウソ
恋をしたり、セックスをすることで女性ホルモンが増えるというのは完全に都市伝説です。幸せな恋愛で気分が高揚し、脳内物質のアドレナリンが増えることはありますが、セックスと女性ホルモンに関係性はなく、症状を軽減することもありません。
そもそも更年期ってどういうもの?
「更年期=つらい」というイメージをもつ人も多い更年期。実際にはどういうものなのか、吉野先生に教えていただきました。
●更年期とは、女性ホルモンの分泌量が急激に低下する閉経前後の10年間のこと
更年期とは、閉経前後の約10年間というのが医学的な定義です。
「閉経の平均がだいたい50~52歳なので、45~55歳くらいの多くの方が当てはまります。幼児期、思春期、老年期などと同じ人生の時期を表す言葉であり、女性なら必ず迎えます」と吉野先生。更年期自体が体や心の不調を指すのではなく、あくまで時期のことなのです。
●更年期のタイミングや症状の出方は人によってさまざま
さらに、閉経の時期には個人差があり、起こりうる症状には生活環境などが大きく関わるので、更年期が始まるタイミングや症状の出方は人それぞれだそう。
「だいたい35歳を過ぎると卵巣機能が衰えてきます。45歳以降、閉経が近づき女性ホルモンが急激減ることで、のぼせやほてり、イライラ、不眠といった更年期特有の症状が出始めますが、それが顕著に現れるかどうかは個人差があります。家から出られないほど重症な人もいれば、あまり症状を感じない人も」
●更年期に入ったかどうか気になったら婦人科を受診して
更年期に入ったかどうかは、自分では月経周期や基礎体温の乱れがひとつの判断基準になるそう。
「ただ、更年期の不調以外の病気が隠れている場合もあるので、自己判断だけに頼らず、婦人科でホルモン値を計測したり、詳しい診察を受けると確実です」
更年期は体だけだけでなく、心にも影響を与えるもの。どんな症状があるのかをきちんと知り、やみくもに恐れないことが大切です。
「婦人科の選び方としては、ホームページなどを確認し、女性医療に理解のある病院や、『更年期外来』があればベター。若い頃にはなかった不調を感じたら、まずは更年期も視野に入れて診断してくれる婦人科に相談をしましょう」
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