そもそも「免疫力が高い体」とは一体どんな状態なのか? 『それでは実際、なにをやれば免疫力があがるの?』(ワニブックス)の著者で純真学園大学客員教授の飯沼一茂さんに解説いただいた。まずは、自分の免疫力がどんな状態か、チェックしてみよう。
いくつ当てはまる? 免疫力チェックリスト
□食事の際には栄養バランスを考えない
□野菜、果物をあまり食べない
□きのこ類をあまり食べない
□ヨーグルト、納豆などの発酵食品をあまり食べない
□ダイエット中などで食事を減らしている
□温かい飲み物よりも冷たい飲み物が好きだ
□肉を食べた後、胃腸がもたれる
□日常的に激しい運動をする
□どちらかというと運動はしない方だ
□座ってばかりで運動不足だ
□生活リズムが乱れていると思う
□慢性的に睡眠不足だ
□昼間適度に太陽光を浴びている
□お腹や手足が冷え、低体温だ
□かぜをひきやすい
□便秘や下痢をすることが多い
□口内炎や口唇ヘルペスがよく出る
□口や目が乾く □集中力がない
□笑う機会が少ない
□これといった趣味がない
□一日中パソコンや携帯を見ている
□お風呂はシャワーで済ますことが多い
□喫煙している
□妊娠している
□大きなストレス、悲しみを抱えている
※飯沼さん監修のもと編集部が作成。
チェックリスト26項目のうちいくつ当てはまっただろうか?
●21項目以上 → 免疫力アップを積極的に!
●7~20項目 → 生活習慣の見直しを!
●6項目以下 → 現状を維持して!
目薬で目を潤しウイルスを遮断
「口だけでなく目も粘膜に潤いがあれば、入ってきたウイルスを遮断できます。具体的な対策としては目が乾燥したら目薬をさす。また、唾液を出すためにはガムをかんだり、あめをなめたり、昆布や梅干しをかむなどが有効。唾液は舌下腺や顎下腺、耳下腺から出るので、その部分をマッサージするのも有効です」(飯沼さん)
体内の水分が不足すると粘膜も乾きがちになるので、1日1.5L程度の水分補給も忘れずに心がけたい。
免疫力を高めるには「首」を温める
飯沼さんが粘膜とともに重視するのは、体温を上げることだ。
「免疫力は『体温』とも密接に関係している。体温を1℃上げれば、免疫力を5倍以上もアップさせることが可能です。一方で、1℃下がると30%低下するといわれている。実際、毎日5000個できるといわれるがん細胞は35℃の低温状態がいちばん増殖するのです」(飯沼さん)
やみくもに暖房を強めたとしても、体温が上がるわけではない。芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏さんは「首に注目してほしい」と言う。
「人間の体温は血液が運んでいるので、血管を冷やすと血液が冷え、体温が下がります。首、手首、足首と、“首”がつく部分は血管が皮膚の表面を通っている場所。免疫力を上げるにはこれらの“首”を温めること。昔から“首を冷やしてはいけない”といわれているのは、医学的に正しいのです」
新型コロナ肺炎に重要な免疫力は腸が7割
粘膜と体温に加え、免疫力を上げる重要なポイントは「腸」にある。日本養腸セラピー協会会長の真野わかさんは「実は免疫力の7割を腸が司っている」と話す。
「食べ物は口から入って、食道、胃を通過し、腸にたどり着いて初めてその栄養素が吸収される。それゆえ腸は異物の刺激を受けやすい危険地帯でもあるのです。だからこそ防衛軍として、免疫細胞がたくさん集まっている。体全体の免疫力を高めるには、この細胞の働きを活発化させることが大切です」(真野さん)
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