毛細血管の増やし方の記事がありました。
腎臓学を専門のひとつとする根来秀行医師(ハーバード大学医学部とソルボンヌ大学医学部の客員教授)は、腎機能の健康を守るには「睡眠」「運動」「呼吸」をうまく利用するといいと言う。
腎臓は簡単にいえば、毛細血管のかたまりのような臓器。腎機能の低下は加齢や生活習慣病などが原因で、腎臓の毛細血管が劣化したり消失したりすることで起こる。しかし、毛細血管は新しい血管を作る「血管新生」や「血管修復」を行うことができる。何歳になっても自分で増やすことが可能という。
全身の細胞や毛細血管は夜、眠っている間に修復されている。根来医師が勧める睡眠の取り方は、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」と「メラトニン」の2大アンチエイジング・ホルモンが十分に働けるようにすること。そのためには7時間睡眠が基本。朝6時に起きて朝日を浴び、夜は23時には寝る。遅くとも朝7時に起きて、午前0時までに寝る。
そうすると2つのホルモンが同時に働き、細胞や毛細血管の修復が促進されるわけだ。そして、次に紹介する「運動」には、毛細血管を増やす効果があるという。
「毛細血管は、体を動かさないでいると血流が悪くなるので衰えて減っていきますが、運動をすると血流がアップし、筋肉が酸素を必要とするので新しい毛細血管が作られます。毛細血管を増やす運動としては、無酸素運動の『簡単筋トレ』と有酸素運動の『リズム・ウオーキング』を組み合わせるのがベストです」
無酸素運動を行うと、筋肉細胞が酸素を多く必要とするようになる。そこに有酸素運動を行うと酸素が多量に供給され、新しい毛細血管がより多く生み出されるようになる。つまり、順番として筋トレの後にウオーキングを行うのがいい。
■簡単筋トレのやり方
簡単筋トレは鍛える部位別に3種類、合わせて4つある。
①上腕を鍛える「壁腕立て伏せ」
壁から歩幅1歩半ほど離れて、両足を肩幅に開いて立ち、両腕を胸の高さで伸ばして両手のひらを壁につける。その状態から、息を鼻からゆっくり吸いながら、両足は動かさずに両肘をゆっくり曲げる。息を吸い終わったら、鼻から息をゆっくり吐きながら両肘を伸ばして元の状態に戻る。これを10回繰り返し1セットとして、1日1セット行う。
②体幹を鍛える「おなかひねり」
両足を肩幅に開いて立ち、胸の高さで両手を組む。顔を正面に向けたまま、息を鼻から吸いながら両腕をゆっくり右へ回し、おなかも右へひねる。ひねり切ったら鼻から息を吐き、呼吸をゆっくり続けながら、その姿勢を30秒キープし、元の姿勢に戻る。左回しも同様に行う。左右のおなかひねりを2回行うのを1セットとして、1日1~2セット行う。
③下肢を鍛える「いすスクワット」
椅子の背もたれを両手でつかみ、両足を肩幅に開いて立つ。ゆっくりと膝を90度曲げてから、ゆっくり膝を伸ばして、元の姿勢に戻る。膝を曲げたときに、膝が足先から前に出ないように、背筋を伸ばして行う。これを20回行うのを1セットとして、1日1セット行う。
④下肢を鍛える「バランス立ち」
両足を肩幅に開いて立つ。右足にゆっくり体重をかけ、体を右に倒し、左足はつま先を床につけたまま、その姿勢を30秒キープし、元の姿勢に戻る。反対側も同じように行う。左右4回行うのを1セットとして、1日に1~2セット行う。
「①~④を日替わりで行います。それは負荷をかけて傷ついた筋肉を回復させるには、48~72時間ほどかかるからです。同じ部位の筋トレは2日間空けて行うのが合理的といえます」
■リズム・ウオーキングのやり方
歩き方のコツは、「1・2、1・2……」と心の中で一定のリズムを取るように歩くこと。男性なら1日7000~8000歩、女性なら6000~7000歩が理想。しかし、なかなか難しいのでリズム運動を意識して、まずは1日の合計した歩数で6000歩を目指す。
時間がなければ、簡単筋トレの後に15分のリズム・ウオーキングをするだけでもいいという。
「呼吸」では、体をリラックスさせて毛細血管を緩めて血流を良くする「4・4・8呼吸」という方法がある。やり方はこうだ。
楽な姿勢で椅子に腰かけ、両手を重ねてヘソの上に当てる。2~3回腹式呼吸をして、息を吐ききってから行う。①4秒かけて、ゆっくりと鼻から息を吸う。息を吸いきったら、そのまま4秒間、息を止める。②8秒かけて、おなかから絞り出すように鼻から息を吐く。これを2~3回繰り返す。1日何回行ってもいい。
これらを日課にして、腎臓の毛細血管を丈夫にしよう。
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