必要なのは運動、食事制限、そして睡眠
「寝ないとやせると勘違いしている患者さんが多いのですが、睡眠が不足すると食欲増進ホルモン・グレリンが増え、食欲を抑えるホルモン・レプチンが減って太りやすくなります」(工藤さん・以下同)。
と、話してくれたのは、たった10か月で25kgもののダイエットに成功したという医師の工藤孝文さん。ダイエットの基本は運動・食事・睡眠と心得よう!
【1】食物繊維とオリゴ糖で腸内の“やせ菌”を増やす
「腸内には、便になるはずの残りかすからも過剰に栄養を吸収する“デブ菌”こと『フィルミクテス門』と、脂肪を蓄えさせない短鎖脂肪酸を作る“やせ菌”こと『バクテロイデス門』という日和見(ひよりみ)菌が存在します。腸内にこの“やせ菌”が増えれば、脂肪を蓄えにくくなるので、この菌を増やす食べ物を摂るのがおすすめ。たとえば、野菜やきのこ、海藻などの食物繊維が豊富な食材や、オリゴ糖が豊富なバナナ、玉ねぎ、マグネシウムの多いひじきやごま、乳酸菌を含む食品などです」。
意識して取り入れよう。
【2】脂肪にはつきやすい時間帯、つきにくい時間帯がある
「体内リズムをコントロールする遺伝子BMAL1には、体脂肪が分解されるのを抑える作用があります。22時~深夜2時がBMAL1の活動のピークなので、この時間帯に食べると脂肪が蓄積されやすくなります。おやつや重めの食事はBMAL1の活動が緩やかになる10~16時に摂るのがおすすめ」
© 介護ポストセブン 提供 おやつやヘビーな食事は10~16時以内に摂ろう
【3】食事はお腹が鳴ってから1時間後に摂る
「お腹の鳴る音は消化中のサイン。ですから、鳴ってから1時間後に消化活動が終わります。その頃に食べると、代謝が上がった状態なので太りにくくなります」。
また、満腹中枢が刺激されるのは食べ始めから15~20分後なので、ゆっくり食べれば食べすぎ防止に。
【4】ストレス食いはホットドリンクで抑えられる
「ストレスがたまると食欲が増すのは、交感神経が高まり、食事で体の緊張を解こうとするから。このタイミングで食べず、代わりに温かい飲み物を飲むと、副交感神経が優位になってリラックスし、余計な食欲を抑えられます」。
なかでもホットミルクがおすすめ。
【5】酢の物&ヨーグルトで食べすぎをリセット
「たくさん食べるときは、血糖値の上昇を緩やかにする乳製品と酢、そして、糖質と脂質の代謝を促すビタミンB群を摂ると調整できます。食前に乳製品を摂り、おかずにピクルスや酢の物、ビタミンB群が豊富なきのこ類(特にまいたけ)を加えるのがおすすめ」
【6】脂肪燃焼をサポートする食材を選んで摂るべし
「ダイエット中はやせやすくなる食材を選んで。おすすめは、糖質代謝に効果的なビタミンB1(豚肉、玄米など)、脂肪を燃えやすくするビタミンB2(レバー、納豆など)、脂肪の代謝を促進するナイアシン(鶏ささみ、エリンギなど)」。
主に昼食に取り入れよう。
【7】やせやすくなる「だし」を飲もう
「かつおぶし、緑茶、煮干し、昆布の粉末を合わせた特製だしを1日大さじ1杯、150~200ccの湯で溶かして飲むだけで、味覚が薄味に慣れて濃い味を避けるようになります。すると、コレステロール値の改善や中性脂肪撃退に効果的。さらにこのだしは、食物繊維が豊富なので腸内環境を整える働きがあります。また、かつおぶしに含まれるヒスチジンにも中性脂肪の燃焼を促進させる効果があります」。
作り方は簡単。ミキサーにから煎りした煮干し10g、かつおぶし30g、刻み昆布10g、緑茶5gを入れて粉状に攪拌(かくはん)するだけ。2週間保存できる。
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