頭痛とは
一次性頭痛と二次性頭痛
頭痛には大きく分けて2種類あります。
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、自律神経性頭痛といった、脳に病気がないのに起こる慢性頭痛を「一次性頭痛(慢性頭痛) 」といい、くも膜下出血、脳腫瘍、副鼻腔炎といった脳または体の病気が原因で起こる頭痛を「二次性頭痛(症候性頭痛) 」といいます。(厚生労働省『1.頭痛について』より)
一次性頭痛の3つのタイプ
普段感じる頭痛の多くは「一次性頭痛」がほとんどと言われています。一次性頭痛は主に以下の3つのタイプがあります。
①片頭痛
②緊張型頭痛
③三叉神経・自律神経性頭痛
一次性頭痛の中で最も多いとされているのが、②緊張型頭痛です(日本頭痛学会HP「緊張型頭痛」より)。今回は「緊張型頭痛」について、症状、原因、対処法を紹介します。
緊張型頭痛の症状
緊張型頭痛の症状としては、以下のようなものがあります。
・圧迫感または締め付けられるようなジワジワとした頭痛
・心拍とは連動せずに痛む(非拍動性)。
・頭の両側が痛くなる。
・頭痛の程度は軽度~中等度(寝込んでしまうほどの痛みではない)
・痛みは30分から、長いと7日間に渡る。
緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛の主な原因は、肩〜首の筋肉の緊張によって血行が悪くなることと言われています。
肩・首に負担のかかる状態が続くと、肩〜首の筋肉が緊張し硬くなります。筋肉が硬くなると血管を圧迫するようになり血行不良に。いわゆる"肩こり"です。
この肩こりがさらに悪化すると、首・肩だけでなく頭蓋(とうがい)の筋肉も血行不良となり、痛みを引き起こします。
緊張型頭痛と肩こりの関係
肩こりの解消が緊張型頭痛に有効
このように、緊張型頭痛は肩こりと密接な関係があります。「肩こり頭痛」「筋収縮性頭痛」とも呼ばれるのはそのためです。
緊張型頭痛を解消するには、肩こりを予防・改善することが有効です。肩こり、ひいては緊張型頭痛の改善には以下の2点がポイントになります。
・首・肩を動かして、筋肉の緊張状態をほぐす。
・温めて血行不良を和らげる。
長時間同じ姿勢が続く場合は、意識的に休憩を入れて軽いストレッチをしましょう。
また、血流が良い状態を保つために身体を冷やさないことも重要です。現代の夏は冷房が効いているため冬よりも体が冷えがち。ストールや羽織を用意しておき、首〜肩周りを冷やさないようにすることも頭痛を防ぐ対策になります。
こんなシーンは要注意
緊張型頭痛を引き起こす日常の習慣として、以下のようなシーンがよくあります。気づかないうちに首や肩を酷使していませんか?
・悪い姿勢(肩が内側に丸くなった状態)での長時間のデスクワーク
・首を少し下に向けての長時間のスマホ操作
・うつ伏せになって肘をついた状態での読書や画面視聴
・合わない高さの枕を使用しており、起きると肩や首が痛い
以下の記事でも肩こりになる生活習慣について紹介しています。肩こりになる”クセ”がないか、チェックしましょう。
日本人の70%以上が感じる肩こり。あてはまる”日常のクセ"はありませんか?
肩こりは”2つの心がけ”で解消できるんです。肩こりの原因と対策、肩こり解消ストレッチを紹介します。
肩こりが引き起こす緊張型頭痛に効くツボ3選
緊張型頭痛の解消には肩こりの改善が大切ですが、「今すぐに痛みを和らげたい」ときには頭部のツボ押しがおすすめです。
頭痛薬を持っていない時や飲みたくない時、即効性を期待したい時にできるのがいいところ。よく痛くなる人は、ツボの場所を知っておくと安心ですね。自分でも押しやすい、即効性のあるツボを3つ紹介します。
①風池(ふうち)
②天柱(てんちゅう)
③肩井(けんせい)
ツボの押し方
指の腹を使って優しく押しましょう。自分が気持ちいいなと感じる力が目安です。押すだけでなく、揉んだりさすったりするのでもOK。強く押しすぎて痛いと思わない程度にしましょう。
①風地(ふうち)
うなじの生え際にあるツボです。首の筋肉の外側のへこんだ部分にあります。頭痛や肩こりを解消できることで有名です。
②天柱(てんちゅう)
首の付け根の真ん中にあるくぼみから、親指1本分外側にあるのが天柱というツボです。頭痛や目の疲れに効くとされます。
③肩井(けんせい)
首の付け根中央から肩先までの中間に位置するのが肩井です。胸の前で手をクロスさせて中指が触れるあたりが目安になります。肩こりのツボとしてとても有名ですが、肩こりからくる緊張型頭痛にもおすすめです。
緊張型頭痛を和らげる頭のマッサージ
リラックス効果もある頭のマッサージを紹介します。頭部のマッサージは凝り固まった頭蓋の筋肉をほぐし、ストレスも和らげてくれます。
こめかみ〜耳横のマッサージ
ストレスや感情の揺れを感じた時に食いしばる癖のある人、歯ぎしりの癖がある人はこめかみの筋肉が特に凝っています。筋肉のコリと緊張を、マッサージで和らげてあげましょう。
■こめかみのマッサージのやり方
1. こめかみの位置を確認しましょう。目尻の外側に位置し、平らになっている部分です。食べ物を噛む動作をすると、少しだけ動きます。
2. 左右から帽子を押さえるような形で頭の横に手を当てます。手のひらの下(手根)部分がこめかみにあたるように置きます。
3. 優しく円を描くように、10回マッサージします。強く押し込まず、肌の表面が少し動くくらいの優しい力で回しましょう。
4. こめかみから耳側に少しずつ下にずらします。耳の横にある顎関節のくぼみに手のひらの下(手根)を置き、同じように優しく回します。10回マッサージします。
緊張型頭痛に効果的な「水泳」
緊張型頭痛の原因になる肩こりは、肩まわりの運動で改善されます。中でも特におすすめなのが水泳。水泳は、泳ぐスタイルでもウオーキングでも腕を大きく振る動作が多く、肩の筋肉の血行が良くなり緊張もほぐれていきます。
また水中は浮力により体の負荷が減るので、筋肉への負荷が少ない状態で運動ができるのもポイントです。
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緊張型頭痛は肩こりの解消から。即効性ならツボやマッサージも。
緊張型頭痛は、肩〜首の筋肉のこりが悪化して血行不良になるのが大きな原因です。肩・首の筋肉を動かしたり、温めたりなどで血液の巡りをよくして予防・改善していきましょう。
「今すぐにこの痛みを和らげたい」、そんな時はツボやマッサージも有効。ツボ押しやマッサージをすることで長時間の悪い姿勢を休憩するタイミングになるかもしれませんね。
痛みが出るということは体からのSOSサイン。生活習慣を見直し、自分の体をいたわってあげましょう。
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