やせるためには3食食べる

不摂生をしがちな年末年始。気が付いたらあっという間に体重が増加…そんな時に焦って急激なダイエットをするのは逆効果だという。

1カ月でマイナス1キロがベスト

「1カ月~1カ月半かけて1キロずつ体重を戻していくのが健康的でリバウンドしにくいペースです」と道江さん。

例えば、30~40代のデスクワークの女性の1日に必要なカロリーは1750kcal。太らないことを目標にするならばこのカロリーを超えないようにすればよいが、痩せたい場合、1500kcalを目指すと良いという。

1日の摂取カロリーを1500kcalに抑えると、1日あたり250kcal、30日後には7500kcalがマイナスになる。脂肪1キロを減らすために消費しなければいけないカロリーは約7000kcalのため、「1カ月後に1キロマイナス」が達成できる計算になるのだ。

「1日に必要なカロリーは体格や年齢など個人によって変わってくるので、自分の目安を調べてみて、把握しておくことが大切です」

カロリー計算は「主食を軸に」

問題は「カロリー計算が難しそう!」ということだろう。道江さんによると、まずは「主食のカロリー」を軸に、ざっくりと計算していくのがコツだという。

「たとえば、ご飯小盛り(約150g)が約230kcal、おにぎり1つが約250kcal。カロリーは主食が占める割合が高いので、まずは主食の大体のカロリーを覚えて目安にするといいでしょう」

スーパーやコンビニで買い物をする際は、食品表示ラベルに記載されているカロリーをチェック。食材など記載のないものや、自宅で料理する際はネットやアプリで調べれば参考になる。

「カロリー計算をするときには飲み物も忘れずに。甘い飲み物の場合、200~300kcalになるものもあるので要注意です」

無理なく痩せるためには、カロリー計算だけでなく「食べ方」も重要だ。

「食事をして血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは過剰に分泌されると体に脂肪をため込みやすくなってしまうため、できるだけ血糖値の上昇をゆるやかにすることが大切。そのためには、食物繊維を多く含む野菜や果物を多めに取ると良いでしょう」

食事の最初にまず野菜から食べる“ベジファースト”を実践している人もいるだろう。実際に、ほかの料理を食べる前に野菜を食べることは血糖値の上昇を抑えるほか、よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、ダイエット効果が望める。ただし、それには「量」も重要だという。

「ベジファーストの効果を感じたい場合は、とんかつに添える千切りキャベツくらいの量を食べることが必要です。少量では効果を期待しにくいので、ダイエット目的の場合はしっかりとお腹を満たせる量の野菜を取りましょう」

痩せるためには「3食食べる」

1カ月で1キロマイナスが望ましいペースだというが、早く痩せたいからと極端にカロリーの低い食事をしたり、「今日は水だけ飲んで過ごそう…」などと過酷な食事制限をした経験がある人もいるかもしれない。

しかし、それは長い目で見るとNG!過度に食事量を減らすと、体温が下がって代謝が低下したり、短期的には体重が減ってもかえって痩せにくい体になってしまったりする可能性がある。さらに、体調を崩す原因になってしまうことも。

「“3食食べる”ということはぜひ守っていただきたいです。特に、朝食を抜くことはお勧めしません。朝食を食べたほうが、体温が上がってその日1日代謝が高い状態が保たれるためです」