運動習慣を身に付けようとして1番大変なのは「はじめること」でしょう。
そして、2番目に大変なのは最初の運動で筋肉痛になっているのに、次の運動をしなければならないとき、どうすればいいかわからないことかもしれません。
今回は筋肉痛を和らげる方法をいくつか紹介しますが、それよりももっと大事な、やらないほうがいいことも教えます。
筋肉痛とはどういうものかを知る
やるべきことについて話す前に、筋肉痛がある状態とはどのような感じか、なぜそうなるのかを理解していきましょう。
筋肉痛は乳酸とは関係なく(あれは迷信です)、遅発性筋肉痛という状態であり、慣れ親しんだ動きとは違うことをしたときによく起こります。
新たに運動をはじめたときだけでなく、すでに運動をしている人でも、新しいスポーツをやってみたり、今までのルーティンを少し変えたりするだけでも筋肉痛になることがあります。
遅発性筋肉痛はとても辛いものではありますが、深刻なものではありません。筋肉が深刻なダメージを受けているのではなく、それを無視しても怪我につながるようなものでもありません。
ちなみに、通常の遅発性筋肉痛とは以下のようなものです。
- 朝起きたときや、じっとしているときに一番痛い
- 動くと楽になる
- 筋肉を使ったり、伸ばしたりすると痛い
- 運動した翌日からはじまり(当日ではなく)、数日間続くこともある
- 原因となる運動をした2日後が一番ひどいことが多い
病気の症状として筋肉痛になることもあるので、通常の遅発性筋肉痛よりもひどいような気がする場合は、医師に見てもらってください。
気をつけなければならない症状の1つが横紋筋融解症で、これは筋肉を破壊し、腎臓に問題を起こすような深刻な病気です。
尿の色が濃い場合(「紅茶の色」とか「コーラの色」と表現されることが多い)は危険信号なので、気づいたらすぐに病院に行きましょう。しかし、ほとんどの場合は、通常の遅発性筋肉痛なだけのことが多いです。そうだと思う人は、次の対処法について読んでみてください。
1. アクティブレストで体をゆるく動かす
まったく動きたくないかもしれませんが、ベッドで横になりたい衝動には抗ったほうがいいです。
起き上がって、動き回っていると、遅発性筋肉痛は消えはじめます(少なくとも一時的には)。目覚めたら、その日の予定は絶対にキャンセルしてはいけません。一日中最悪の気分になります。
散歩に行ってみましょう。私が運動する気にならないときの常套手段です。自転車やエアロバイクがある人は、抵抗が少ない状態で自転車を漕いで脚を動かすと、筋肉痛が軽減するでしょう。
自転車に乗る人たちは、軽く漕いで筋肉痛を“流す”と言ったりします。これについて科学的な根拠があるかどうかは不明ですが、効果があるようです。
また、ヨガをやる人は、筋肉痛がある日はゆるくヨガをするのもいいです。回復系のヨガを調べると、このような動画も出てきます。
体を動かすことで、遅発性筋肉痛の痛みは軽減しますが、必ずしも完全になくなるわけではありません。座ってしばらくテレビを見ていたら、見ていた番組が終わって立ち上がるころには、また筋肉痛が戻ってきます。
時間が経たないと完全にはなくならないので、耐えなければなりません。筋肉痛がなくなるまでの間、一時的に痛みを軽減したり、体が自然に回復するのをサポートしたりするため、試してみてほしいことがほかにもあります。
2. お風呂やサウナに入る
温めると筋肉痛は良くなることが多いので、サウナに行くのもいいでしょう。また、このような電気のヒートパッドを使ったり、お風呂に入ったりするのもいいですね。
エプソムソルトのお風呂は筋肉痛のときに人気がありますが、お風呂のお湯のミネラルは筋肉には届きません。バスソルトや入浴剤でお風呂がいい香りになれば(ラベンダーなど)、自分にご褒美をあげている感じがして気分が良くなるので、そういう楽しみ方として使うのはアリです。
3. 自分でマッサージをする
筋肉痛はやさしく揉んだり押したりすると気持ちが良いので、自分でマッサージをするか、誰かに頼んでマッサージをしてもらうのもいいでしょう。
フォームローラーは、自力で“筋膜リリース”(マッサージの洒落た言い方に過ぎないと思いますが)するのにピッタリですし、マッサージガンもいいのではないでしょうか。
4. よく食べ、よく眠る
筋肉痛があるときは、いつも以上に自分をケアしてあげるべきです。睡眠も筋肉痛に効くと言われていて、遅くまで起きていると、翌日筋肉痛になりやすいでしょう。
また、タンパク質は筋肉をつくるのに重要なので、タンパク質をたっぷり摂ると筋肉痛になりにくいです。炭水化物も回復やエネルギー補給に重要なので、私はどちらもしっかりと摂ります。
5. 筋肉痛のときにやらないほうがいいこと
噂や根拠のない通説がたくさんあるので、具体的にやらないほうがいいことをあげたいと思います。
- 極端なストレッチ:ゆるく伸ばすのはいいですが、深く、痛いくらいに伸ばすと、筋肉を痛めるおそれがあります。
- 氷や冷たいものを当てる:これは少し議論の余地がありますが、回復のプロセスを妨げるおそれがあります。
- 本当に必要ではないのに鎮痛剤を飲む:痛みがひどすぎて1日乗り切れなさそうであれば、鎮痛剤を復用してもいいでしょう。しかし、鎮痛剤(イブプロフェン)を飲むのが運動後の習慣になっているようであれば、回復を妨げるおそれがあります。
6. 運動をやめない
筋肉痛があるときは、痛みのうずく体をスポーツジムに引きずって行くより、家でNetflixでも見ていたい気分になるでしょう。しかし、長い目で見ると休息はそこまで回復の助けにはなりません。
運動に慣れることで筋肉痛に打ち克つことができるので、運動を再開するまで毎回1週間休んでいては、いつまで経っても運動に慣れることはできません。
ですから、ジムに行ったり、ランニングをしたり、その日予定している運動をやってください。与えられたプログラムであれ、週に何回ジムに行くと自分で決めたことであれ、計画した運動をがんばって続けましょう。
まずウォームアップをすると思いますが、徐々に体を慣らすようにしてください。ランニングをするのであれば、速歩きからはじめて、ゆっくりとジョギングしてみて感覚を確かめます。
ウェイトリフティングをする場合は、いつもより軽めのウェイトからはじめて、その日できそうな重さだけ増やします
通常の運動ができなくても、何かしら体を動かせば、そのあとの筋肉痛に対する保険になります。また、その日の運動後は、運動をする前ほど筋肉痛にはなりません。
科学者はこれを「反復トレーニング効果」と呼んでおり、各トレーニングが次のトレーニングの筋肉痛を防いでいるのです。
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