50代以降食べ方を変えなくてはならない理由変えなくてはならない理由

50代以降、食べ方を変えなければならない理由。

50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事© クロワッサン オンライン

50歳を迎えたにしおかすみこさん。食生活の変化を、日比野佐和子さんはどう見るのでしょう。

50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事© クロワッサン オンライン

にしおかすみこさん(以下、にしおか) 昔は3食(外食も多め)+間食に甘いものを食べていましたが、4年前に介護のために実家に戻り、家族分も含めて自炊するようになり、リズムも量も変わりました。朝食は母と一緒に食べ、お腹が空いてから遅めの昼ごはんや昼夜一緒に済ませる感じです。痩せにくくなったので間食も控えめにしています。

日比野佐和子さん(以下、日比野) 年齢とともに胃腸や内臓の機能は低下してきますし、特に更年期以降は女性ホルモンの減少に伴う不調も出てくるので、年齢に合わせた食生活に変えることが大事です。排出の力も弱まり、塩分や添加物にもさらに気をつけたい年齢に差し掛かっているので、外食より自炊ベースになったのはとてもいい習慣です。また、以前はちょこちょこ食べがいいとされていましたが、臓器も老化するので、休んでリカバリーさせるのも重要。私も一日2食が多いですよ。ほかは何かされていますか?

にしおか 水を一日2L飲むのがいいと聞いて2Lボトルを持ち歩いたり。でも続かないです。仕事によっては飲むのを控えるので、夜にノルマのようにまとめて飲んで、夜間トイレが近くなり睡眠不足で、どうしたいの私?ってなります(笑)。

日比野 動脈硬化などを防ぐため、食事の汁物などを含め水分は一日2Lくらい飲んだほうがいい。なるべく日中に飲んで、運動をして汗で流すのがベストです。食事で注意すべきは左図のようなPFCバランス。更年期以降は、厚生労働省が推奨する“高たんぱく・中糖質・低脂質”のバランスから一歩進んで、食べ方を調整していきましょう。

女性の適切なPFCバランスは、年齢とともに変わる!

50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事© クロワッサン オンライン

若年期と違い、代謝が落ち内臓機能が低下してくる更年期以降。若い頃より炭水化物を含めた全体的な糖質を減らしながら、脂質はある程度摂取し、臓器や皮膚など体を作るたんぱく質を増やすことを意識しよう。

若々しくいるための、3つの栄養素との付き合い方。

(たんぱく質)は意識してしっかり摂る!

日比野 臓器、皮膚、筋肉などを作るたんぱく質は、50代以降は積極的に摂りたい栄養素の筆頭です。にしおかさんは意識していますか?

にしおか 最近は毎朝、豆乳メーカーで大豆から豆乳スープを作って飲んでいて。大豆の栄養や成分を丸ごと摂れるし、濃厚で美味しいです。

日比野 良質なたんぱく質を摂っていて素晴らしい! 大豆にはたんぱく質と食物繊維、そして美肌ホルモンと呼ばれる女性ホルモンを補う“大豆イソフラボン”が豊富ですから。

にしおか なるほど! 豆乳スープ+朝ごはんを食べるなら、どんな食材を足したらいいですか?

日比野 植物性たんぱく質だけでなく、動物性たんぱく質もあわせて摂ることが大事なので、栄養バランスのいい卵がおすすめ。朝1〜2個食べておくと、たんぱく質から睡眠ホルモンのメラトニンが作られるため、いい睡眠にもつながります。ただ卵はビタミンCと食物繊維が摂れず、大豆にもビタミンCは少ないので、新鮮な葉物野菜を添えるといいですね。また、たんぱく源となる魚や肉も偏りなく取り入れることで、ほかの栄養素とのバランスもよくなるでしょう。

50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事© クロワッサン オンライン

(糖質)は〝ほどほど〟。でもゼロは厳禁。

日比野 糖質を摂ると血中の血糖(グルコース)が上昇。血糖を下げるため、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。ところが加齢に伴って膵臓の機能も低下し、インスリンが出にくくなることも。そこで大事なのは、血糖値を上げすぎない“低糖質ぎみ”の食事です。

にしおか 低糖質……。“糖質制限ダイエット”が流行った時にやったんですが、結局食べるものがなくなってイライラしてやめました(笑)。糖質はゼロにしなくてもいいですか?

日比野 脳を動かすために必要なので、ゼロにしてしまうのは危険ですし、欠けていい栄養素はないので、何事もほどほどがベスト。血糖値を緩やかに上げるためには、例えば“ホールフード(丸ごと食べるもの)”と呼ばれる食品がおすすめ。白米よりロウカット玄米や胚芽米、発芽玄米、パンなら全粒粉やライ麦を使ったものを選ぶといいでしょう。

にしおか “ほどほど糖質制限”ですね。

日比野 そうです! ちなみに、うどんよりも蕎麦のほうが血糖値は上がりにくく、血管を強くする抗酸化成分ルチンも豊富。知り合いの若々しい女優さんたちは、よくお蕎麦を食べていますよ。

50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事© クロワッサン オンライン

(脂質)は〝良質な油〟を意識する。

日比野 脂質は脳や細胞膜を作る大事な栄養素。ホルモンの材料でもあり、肌の乾燥も防ぐのである程度必要ですが、良質な油を摂るのがポイント。

にしおか たまに無性に欲して、コンビニのレジ横にある揚げ物を食べちゃうんです……(笑)。

日比野 わかります(笑)。摂りすぎはよくないものの、たまのごほうびはむしろ恒常性を保つためにいいと思いますよ。ただ、時間が経った油分は体の中で酸化しやすいものが多いので、習慣化は厳禁。また食用油脂のショートニングは、肥満やアレルギー疾患ほか、さまざまな健康リスクを引き起こすといわれているトランス脂肪酸を含むため、甘いものならショートニングをほとんど使わない和菓子がおすすめです。

にしおか よかった、最近は体のことを考えて和菓子を選んでいます。でも、良質な油とは?

日比野 MTCオイルやアマニ油、オリーブオイル、米油など。EPAやDHAが豊富な焼き魚やサバ缶でも良質な油が摂れます。ナッツはクルミひと握りで一日に必要なオメガ3が摂れるので、サラダにトッピングすると良いです。食材をちゃんと選び、良質な食生活を習慣化しましょうね。

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これからの食事習慣、5つの心得。

・たまのごほうびも取り入れる。

・日中に、積極的に水を飲もう。

・簡単でもOK。とにかく自炊をベースに。

・ちょこちょこ食べより、2度のしっかりした食事。

・大事なのは、毎日の継続。

50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事
50代以降、食べ方を変えなければならない理由。高たんぱく、中糖質、低脂質で若返る食事© クロワッサン オンライン

にしおかすみこさん

タレント

1974年11月18日生まれ、千葉県出身。お笑いタレントとして情報番組などで活躍。自らの家族の生活を綴った著書『ポンコツ一家』(講談社)シリーズが話題に。

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日比野佐和子さん(ひびの・さわこ)

医師

医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック、THE HUNDRED統括院長。アンチエイジングドクターとして活躍。食や習慣に関する著書多数。