免疫力を上げて元気に

『自然免疫』と『適応免疫』

異物から自分自身の体を守る「免疫」。細菌やウイルスが侵入するのを防ぎ、体内に発生した異常な細胞を攻撃する機能をつかさどります。

「免疫には『自然免疫』と『適応免疫』があり、自然免疫はもともと人間に備わっている機能。体内に侵入してきた細菌やウイルスをいち早く見つけ出し、取り除くために働きます。一方の適応免疫は、病気のもととなる病原菌を一度体の中に取り込むことで、それが有害であると学び覚える免疫のこと。次にその細菌やウイルスが入ってきたときに、迅速かつ強力に病原菌を防御できます。各種のワクチンは、この適応免疫の特徴を利用しているのです」

そう解説するのは、感染症に詳しい内科医の久住英二先生です。

私たちの体は、自然免疫と適応免疫の両者がうまく働くことで多種多様な細菌やウイルスを撃退していますが、50代以降は、どちらの免疫機能も低下していくといいます。

適応免疫の記憶が弱まり病気になり易くなる

「風邪をひきやすくなったり、また治りにくくなるのも、免疫機能低下の表れ。たとえば、体の中では毎日がん細胞がつくられますが、自然免疫が働き、それを『異物』と認識して退治することでがん化せずに済んでいます。ところが50代以降は、この異物として認識する力が弱まるため、がんが増加するのです」(久住先生。以下同)

適応免疫も同様に衰えます。

「子どもの頃に罹患した水ぼうそうのウイルスは体の中に存在していますが、その記憶が弱まることでウイルスが活性化し、帯状疱疹を発症しやすくなります。国の対策として、50歳以上の人に帯状疱疹のワクチン接種が推奨されているのも、そうした理由からです」

粘膜のバリア機能が弱まることも、感染症にかかりやすくなる要因です。

「鼻やのど、腸などの粘膜の表面は、ムチンと呼ばれるねばねばした成分でおおわれ、細菌やウイルスが直接、体の組織に触れないように防御しています。ところが、加齢とともにこのムチンの産生力が低下。また、腸の粘膜は、若いときには高級絨毯のように厚みがあり、ひだが詰まっていて、おいそれとは病原菌が中に入れない構造になっています。けれど、それも薄くなり、病原菌が入り込みやすくなるのです」

熱をつくる筋肉を育てよう

日頃から細菌やウイルスと闘う力を高めておくよう心がけて、と久住先生はアドバイスします。カギになるのが運動と食事。

「体を動かすことは筋肉を維持する、気分を前向きにするなど、いいことずくめ。実は、運動習慣がある人は感染症にかかりにくい、というデータもあります。体内に病原菌が侵入すると、体は熱を出して撃退しようとしますが、主にその熱をつくるのが筋肉です。筋力維持のための体づくり、つまり運動が欠かせません」

運動の目安は、ウォーキングなど1回30分の有酸素運動を週3回、筋トレは週に合計1時間程度。

「これだけの時間の運動をこなすことはできないという方が多いのですが、まったくやらないのと、週1回でもやるのでは大違い。運動習慣がない方は、少しでも体を動かす時間を設けるようにしましょう」

筋肉をつけるためには、たんぱく質を摂ることも大切です。

「たんぱく質は、筋肉や免疫細胞のもとになります。体重50キロの人であれば、一日50グラムのたんぱく質を摂るのが目安。肉、魚、卵、豆類、乳製品など、たんぱく質を含む多様な食品を食べることを心がけてください」

最近の研究で、「タウリン」というアミノ酸に免疫の機能を調節する重要な働きがあることがわかってきたそう。

「カキやタコ、イカなどに多く含まれていますから、そうした食品も意識して摂りましょう」

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コメント: 1
  • #1

    池田剛士 (月曜日, 10 3月 2025 07:16)

    New! 2025.2.28 動植物由来の「多糖」に関する科学的知見;多糖化は、エネルギーとして用いられない糖を安全に生体内に留置ないし生体外へ排泄する動植物体共通の生理現象である。


    「明治百五十年の大過」の訂正、いわゆる「令和の改新」の管理者です。
    ヒトの粘膜は糖の代謝系であり、ムチンはその代謝物(老廃物)です。
    したがって、ムチンを免疫・生体防御物質とは呼べません。
    是正のためこのような活動をしています。 よろしければご協力ください。
    https://x.com/acsec_inc

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