関節痛に効く食べ物はあるか?

ひざや股関節、腰……年齢を重ねるとともに、身体の節々が痛むようになってきたという方もいるのではないでしょうか。YouTubeの登録者数約20万人の整形外科医・歌島大輔先生は「<軟骨のすり減り>の平均診断年齢は50歳。関節の曲がり角は50歳から」と指摘しています。そこで今回は、歌島先生の著書『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』より一部を抜粋してご紹介します。

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【書影】医学的な根拠のある改善法を、YouTube登録者20万人の整形外科医が紹介!歌島大輔『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』

Q.食べたほうがいいものはありますか?

「これが効く!」という食べ物はありません。

軟骨にいいからと「カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質を多く含む食べ物を取りましょう」などとよく言われます。ですが、まず強調しておきたいのは、食品もサプリメントと同じように、薬ではないということです。

薬にはリスクがありますが、そのリスクと引き換えに、目に見える効果を発揮します。

人の体に変化を起こすとき、その変化にはプラスもマイナスもあり得るわけで、だからこそ薬は厳密な治験などの研究を積み上げて作られています。食品にはそこまで強い変化を起こすことはできません。

多くの食品をバランス良く取るのが基本

たいていの医師が患者さんから「何を食べるとひざにいいですか?」「このサプリメントをどう思いますか?」と聞かれたときに、「いや、それよりもバランス良く食べなさい」と答えるのは、無難だからでも、説明が面倒だからでもありません。

食事やサプリメントにはリスクが少ない一方で、効果もとても小さいことを知っているからです

あらゆる栄養素は、欠乏しても過剰になってもよくありません。

多くの食品をバランス良く取るという厚生労働省が勧める栄養管理が基本だと思ってください。

Q.食べ物は無関係なんですね?

基本的に食べ物の影響は少ないです。

ただし、長期的な健康や関節痛予防のために最近取り沙汰されているのは慢性炎症と食事の関係です。この視点から「抗炎症食品(こうえんしょうしょくひん)」を多めに食べ、反対に炎症を起こしやすい食品を避けてもいいかもしれません。

(写真提供:Photo AC)© 婦人公論.jp

もちろん薬のような効果は期待できませんが、「炎症を抑える可能性のある食品」と「炎症を促進する可能性がある食品」のどちらかを選ぶときには、前者を選ぶほうがいいということはあるでしょう。

抗炎症食品には、果物、野菜、全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ)、豆類、紅茶、コーヒー、チョコレート、ハーブ、スパイス、ナッツ、魚などがあります

炎症を起こしやすい食品には、炭酸飲料、揚げ物、高脂肪の加工肉(ハムやソーセージ)、乳製品、過剰なアルコールなどがあります。

Q.変形性関節症には脂ののった魚がいいと聞きましたが

バランス良く、いろいろな食品を食べるのが基本ですが、たしかに変形性関節症には脂ののった魚がいいかもしれません。

魚油(ぎょゆ)サプリメントで長鎖(ちょうさ)オメガ‐3脂肪酸(しぼうさん)を摂取するのがいいという研究もあり、青魚などの良質の脂質は基本的に健康的な栄養素になります(*1)。

実際、栄養の摂取では「肥満を防ぐこと」「良い脂肪を摂取すること」は覚えておいてよさそうです。特定の食べ物を食べて関節痛が治ることはありませんが、良い栄養素が欠乏しないようにすることは健康に必要なことです