姿勢の維持に「横隔膜」と「腸腰筋」のケアを

キレイな姿勢を維持するために意識するべきことは何か。ストレッチトレーナーのきまたりょうさんは、「姿勢の維持に大きく影響する身体の部位が2つある。それぞれをゆるめることで胸が張りやすく、体幹の動きも改善される。まずは両手でできるケアを試してみよう」という――。

※本稿は、きまたりょう『世界一わかりやすい 筋肉のつながり図鑑セルフケア編』(KADOKAWA)の一部を再編集、一部を書きおろししたものです。

姿勢の維持に欠かせない「横隔膜」と「腸腰筋」のケア

体には、多数の筋肉のつながりがありますが、ここでは姿勢の維持にも重要な「横隔膜(おうかくまく)」と「腸腰筋(ちょうようきん)」に関する筋肉のつながりと、それをケアする重要性と方法についてご紹介します。ストレッチをする際や、日常の生活の中で、ぜひ意識してみてください。

まず「横隔膜」は、呼吸に関わり、肋骨内で胸腔と腹腔を分けています。上下にさまざまな筋肉とつながっており、横隔膜が固まるとそれらの筋肉の動きに影響を与えます。

また、骨盤底や他の筋肉と共に腹圧を高め、姿勢の維持に重要で腸腰筋などにつながるため、歩行にも大切な役割を果たします。

横隔膜をゆるめるには、まず肋骨の八の字に開いた部分に指をやさしく潜り込ませ、ゆっくりリリースします。

身体を丸めるとお腹の筋肉がゆるみ、指が入りやすくなります。片手を反対の手で押しながら行うと効果的です。
横隔膜がゆるむと呼吸が楽になり、胸を張りやすく、体幹の動きも改善されます。

「腸腰筋」とは?

次に「腸腰筋」は、大腰筋、腸骨筋、小腰筋の3つを合わせた筋肉群で、股関節を曲げる役割を持っています。

腸腰筋は「走る、蹴る、階段を上る」動作などで使われ、股関節を安定させます。

固まると股関節が動かしにくくなり、腰のカーブが強くなるか減少し、姿勢や歩幅に影響します。補足として、大腰筋は姿勢によって腰椎の屈曲と伸展のどちらにも働きます。

大腰筋は背骨から太ももの骨へ伸び、腰のカーブや骨盤の前傾を強めます。

一方、梨状筋は仙骨から太ももの骨へ伸び、骨盤の後傾を促します。これらの筋肉は背骨に対して反対の働きをします。お互いの筋肉を適切な長さにして、バランスを保つことが重要です。

ボールを使って腸腰筋をゆるめる方法

腸腰筋をゆるめるには、床に置いたボールに腹直筋の外側を当てて身体を沈めていきます。

腸腰筋は深いところにあるので、表層からバターが溶けていくような感覚でゆっくり行いましょう。直接、腸腰筋に当たらなくても、腹部をゆるめることは股関節や体幹の動きに良い影響を与えます。

30秒×3セット!自宅で簡単な腸腰筋の伸ばし方

腸腰筋を伸ばすにはランジの姿勢から骨盤を斜め下に突き出し、股関節の付け根を伸ばします。

骨盤を立てるようにしながら上半身を引き上げることで、横隔膜から腸腰筋にかけてのつながりがしっかり伸びます。伸びている側の手を上げて反対側に身体を倒すことでさらに伸ばすことができます。

以上、いくつかのセルフケア法をご紹介いたしました。

同じセルフケアをするにしても「身体の仕組みを把握して行なっている人」と「なんとなく真似をしている人」では効果に雲泥の差があります。少しでも知識として覚えていただけましたら幸いです。

最後に付け加えておきたいことは、「完璧を目指さない」ということです。「まだ数ミリ左右差があるから何かおかしい」などと言って躍起にならないことが大切です。