腸活で身体の改善を

お腹が鳴ってから1時間後に食べる

空腹でお腹が鳴った時が食事時だと思っていませんか? あるいは、お腹が鳴る前に次の食事を摂っている人も多いかもしれません。これがじつは違うのです。

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腹鳴時は腸内活動が活発になり、腸内を大掃除しているサイン。これから腸が掃除を始めるぞという時なので、ここで食事を開始してしまうと、胃腸が疲れて腸内環境がどんどん悪くなってしまいます。

腸内環境が悪くなると便秘や下痢の症状だけでなく、皮膚トラブルにも発展してしまいます。肌を綺麗に保つための栄養素が充分に吸収されず、ダメージを受けても上手に修復できなくなるのです。

今後はお腹が鳴った時に「腸内が綺麗になる時間だ」とグッと食事を我慢してください。理想はお腹が鳴ってから1時間空けることですが、難しい時は30分だけでも心がけましょう。

腸の不調は疲れやすさ・肥満にもつながる

腸については、近年様々な働きが科学的にも証明されてきました。腸では、疲労回復や脂肪燃焼に必要なビタミン類の合成が行われており、腸の不調は疲れやすさや肥満にもつながります。

また、腸には免疫細胞全体の70%ほどが集まっているため、風邪や花粉症、アトピー、がんなど様々な病気にも影響します。

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さらに、精神安定や姿勢の維持などに関係するホルモンである「セロトニン」は腸内で90%以上が合成されているため、腸内環境の悪化は心身の不調を引き起こすのです。

腸内環境が悪化する要因としては、不摂生な食事、ストレス、冷え、運動不足、老化などが挙げられます。

そして、就寝前の食事も腸に負担をかけます。睡眠中も腸内を大掃除しますので、就寝3時間前までに食事を済ませると胃腸トラブルや皮膚トラブル、メンタルトラブルなどの改善につながるでしょう。

腸活でコレステロールが下がる

最近、腸活という言葉をよく聞くようになりましたが、腸を整えることはコレステロール値の改善にも効果があると考えられます。

コレステロールは、細胞膜の主成分やホルモン、胆汁酸(たんじゅうさん)などの原料になります。体に必要な物質ではあるものの、血中コレステロールが高くなると動脈硬化や脳梗塞などの病気を生じてしまうことがあります。痩せている人や若い人でもコレステロール値が高いことがありますので注意したいところです。

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コレステロールには善玉と悪玉があり、善玉コレステロール(HDL)は、体の不要なコレステロールを回収するいわば体内のお掃除役。

一方で悪玉コレステロール(LDL)の役割は、肝臓で合成されたコレステロールを全身に運ぶ運搬役になります。血中に悪玉コレステロールが多くなると、血管壁にこびりついて動脈硬化につながる可能性が高くなるため、LDL値は高くならないように気をつける必要があります。

コレステロールが増える原因は、病気などの基礎疾患や体質、食習慣などが関与しています。基礎疾患が問題の場合には、病気のコントロールが必要になります。体質や食習慣などが原因であれば、糖や動物性脂肪、アルコールを控えましょう。

コレステロールを下げる栄養素とは

コレステロールを下げるために意識して摂りたい栄養素は、水溶性の食物繊維や乳酸菌です。これらは悪玉コレステロールに吸着し、体外に排出してくれる働きがあります。

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水溶性食物繊維は、大麦、納豆、昆布、わかめ、里芋など。乳酸菌は、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、チーズ、キムチなど。

ただしヨーグルトや乳酸菌飲料には糖がたくさん含まれるものも多いため、毎日食べる場合はプレーンタイプを選びましょう。

毎日を心地よく過ごすためには、腸のケアは必須。ぜひ腸内環境を整える食材や食べ方のポイントを意識してみてください。