年をとっても元気でいるポイントは“肝臓”
老いても元気な人と、どんどん衰えていく人の差は、“解毒力”がポイントであると橋本さんは明言する。
「解毒力を担うひとつは肝臓。肝臓が弱ってきちんと機能しなくなると、食事などで入ってきた毒素や、体内で発生した毒素が体内に蓄積され、さまざまな健康問題が引き起こされるのです」(橋本さん・以下同)
肝臓は腸から送られてきた栄養を溜め込んだり、吸収しやすいように分解して各臓器に送る役目を担う重要な器官。アルコールや化学物質など、体内では毒とされるものは、肝臓で解毒処理がされて、胆汁という肝臓で生成される液体とともに、胆のうという臓器に運ばれ、そして腸へと戻され、便と一緒に排泄される仕組みだ。
肝臓の機能低下を知るには、健康診断で肝臓の状態をチェックすることが大切。診断表のAST(GOT)、ALT(GPT)と書いてある数値が、肝臓の状態を表している。どちらも30以上の場合は注意が必要だ。
肝炎を改善するおすすめの食べ物
肝臓に炎症が起きている状態=肝炎を知らずに放置しておくと、肝硬変や肝臓がんなどになる可能性があるという。そこで、まず肝炎の原因の1つである脂肪肝を改善することがおすすめだと、橋本さんは話す。
「肝臓内に脂肪が過剰にあると炎症の原因になります。そこで、イワシやサバなど、脂肪を減らしてくれるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれる青魚を食べることをすすめます。さらに、脂肪燃焼効果の高いウォーキングを日常に取り入れることで、改善が期待できるでしょう」
さらに、肝臓の機能を助け、肝臓を疲れにくくするタウリンが豊富な食べ物もよいという。しじみ、あさり、イカ、タコなどを意識的に食べよう。
また、解毒を助けるアリシンが豊富に含まれるにんにくや、アルコールの分解を促すクエン酸が豊富な梅干しなどもおすすめだという。
日常で気をつけたい肝臓を守るカギ
「健康な肝臓を守るために意識するべきは、無理せずできる小さな積み重ねです」と橋本さん。ランチでは肉より魚、20分ほどの気楽なウォーキングなど、健康を維持するためには毎日少しだけ体によいことを心がけることが大事だという。
加えて、薬やサプリメントのとりすぎには要注意だと語る。
「症状が緩和されたり、健康状態が回復することもありますので、とるなと言うわけではありません。しかし、毒と薬は紙一重です。大量に摂取すると、無毒化するために、肝臓が無理をして疲れたり傷ついたりすることがあります。何事もほどほどを心がけましょう」
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